隔離スレSS総集編Vol.5

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作者
名も無き冒険者
出所
(隔離1)121-122
登場人物
シルバーポイズン
ザク改

か細い月さえも雲に隠れ、辺りはただ静けさのみが支配していた。
余程夜目が効くのだろうか、その闇の中確かな足取りで先を急ぐ人影があった。
「シルバーポイズンだな。」
その背を、深く、闇に沈む声が追う。
男の歩みがピタリと止まった。
一体、これ程までの接近を許すとは…。
先日斬ったパーティーに雇われた刺客だろうか。
或いは同業者がウチの縄張りを狙ってきたのか。
それとも上納金を納めるのが嫌になったGODメンバーの反乱か。
シルバーポイズンは内心での舌打ちを隠し、背後を振り返りもせずに言った。
「何か用か、先を急ぐのだが。」
闇の中から再び声がした。
「時間は取らせない、1、2分で済む。お前が抵抗しなければの話だが…。」
「見くびられたものだな…大人しく斬られるとでも思っているのか!?」
シルバーポイズンはそう叫ぶと同時に大きく前方へ飛び、振り向きざまに
影に向かって火炎弾を放った。
轟々と音を立てて赤い尾を引いた炎が飛び交い、辺りの闇を照らし出す。
しかしその光の収束する先に、声の主の姿はなかった。

「噂とは当てにならないものだな。冷静な策士…それ以上に好戦的だ。」
クククッ、と先程とは別な方角から笑い声がする。その忍び笑いが勘に触る。
「貴様…血祭りにされたいか。」
「それは勘弁願いたいな。」
その言葉と共に現れた姿を認めて、シルバーポイズンは呆れた様に言った。
「何だ、お前か…。」
そこに立っていたのは妻るーちょのPM、ザク改だった。
「趣味が悪いぞ、お前。」
「先走ったのは、お前だ。」
そう言って、また笑い声を漏らすザク改。
先程までとは明らかに違う、普段通りの声。オプションで変声機まで
備えているのか、この男は。
 
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