深夜のガルヴァーダ温泉の女風呂にひとつの影。泣く子も黙る機動殲滅隊三番隊隊長エアリーズ=熾月。
彼女ほどの豪傑となると、女として扱ってくれる人間もさすがに少なくなってくる。自分ではそれほど
堅い女だとは思っていない。しかし周囲はそう思ってくれないのだ。ヴァルキオン方面に進軍して早数年。
その間体を求めてきた男は誰一人として居ない。
(私には女としての魅力がないのだろうか…)
見上げると満天の星空。こんな夜に誰かと一緒に居られたらどんなにロマンチックだろう。
そんな事を思いながら熾月は指を自らの胸に這わせた。
「ん…」
軽く揉みし抱きながら何度も乳首を手のひらで刺激する。何度も繰り返すうちに段々とそのピンク色の
乳首が起ってきた。空いている手が下半身に伸びる。
「はぁ…」
「おや、奇遇ですね」
「!!!」
突然の声にそれまで膨らみと茂みをまさぐっていた両手を引っ込める。気付かれただろうか?
「誰だ!」
「僕ですよ。セム=オーエンです。お忘れですか、悲しいですね」
岩陰から現れたのは常闇の猟犬と呼ばれる男、セム=オーエンだった。この男につきまとう
嫌な噂の数々、幾たびも耳にしている。
「貴様…一体どうやってここに…」
「僕もここに泊まってるんです。温泉に来た客が温泉に入るのにどうやってもないでしょう。
しかし…ふふ、まさかあのエアリーズ=熾月が深夜の温泉で自慰にふけっているとは…」
「!!! なっ、何を!!」
「ふふふ、そんなに寂しいのでしたら僕が手伝ってあげますよ」
チャプ…ザバザバ
遠慮無しに近づいてくるセム。よく見るとセムは何一つ身につけていなかった。
「けけけ結構だ!よせ、近づくな!!」
「ふふ…」
「わ、私はもう出る」
「おっと、まだいいじゃないですか。夜は長い。ゆっくりしましょうよ」
「あっ…」
- 出ようとした熾月の手をセムが捕まえ、強引に引き寄せる。戦いに身を置いているだけはあり
ところどころに傷跡が見える。だがそんなものなどどうでも良いほど、熾月の肉体は素晴らしかった。
張りのある胸にツンと上を向いた乳首、贅肉などとは無縁の美しい腰のライン、そして淡い茂み。
「離せ!離さないと…はぁぅっ!!」
熾月が手を振りほどくより早くセムの指が熾月の最も敏感な箇所を撫で上げた。
その指を何度か上下に往復させると、熾月は抵抗らしい抵抗をやめ、ただ体を震わすだけになった。
「どうしました?離さないとどうなんです?」
「ぁ…ぅ…や、やめ…ないと…ぁ…」
「いいじゃないですか。気持ちいいんでしょう?さて、こっちはどうですかね」
セムの手が熾月の瑞々しい胸に伸びる。乳首の周りを指の腹で円を描くように何度も何度もなぞる。
「あ…ん……ぁ…」
「ふふ、もっと触って欲しいところがあるみたいですね」
「そ、そんな事…ない…」
「まったく強情な人だ。ここをいじって欲しかったんでしょう?」
セムはいやらしい笑みを浮かべ、これ以上ないほど勃起した乳首を親指と人差し指でつまむように刺激した。
「あっっ!!!」
「ほうら、こんなになってしまって」
「あ…あ…やめ、やめ…ろ…そんな…ぁ…」
「おやおや、もう立ってるのもやっとといった様子ですね。これがあの機動殲滅隊三番隊の隊長とは…ふふ」
「ん…ぁ…あぁ…は、ん…」
「下の方もビショビショですよ」
「それ…はぁ…温泉に…入ってた…から…」
「ほう、ここの温泉のお湯にこんな粘り気があったなんて初耳ですね。どんな効能があるのか楽しみですよ。
どれ、ためしに味をみてみますか………ふむ、美味しいですね。名付けて熾月の湯といったところですか」
「あぁ…」
執拗なまでの言葉と指での責めで、熾月の自制心は崩壊寸前にまで達していた。心とは裏腹に長年肉体が
求めていたものがそこにあるのだ。いや、心もそれを望んでいたのかもしれない。
- 「ふふふ、そろそろいただきましょうか」
その言葉の意味するところ…熾月の視線はセムの怒張した股間に注がれた。体が動かない。
セムは熾月を抱いて湯から上がり、横に寝かせた。最早言葉によるかすかな抵抗以外、これからの行為を
妨げるものは存在しない。セムは張りつめたモノを愛液がとめどなく溢れ出る泉の入り口にあわせた。
「あ…」
しかしセムのモノはその先端で入り口付近をなぞるだけで一向に中に進入してこようとしない。
先だっての愛撫で熾月の肉体には放っておいても決して消えない火がついている。
(うぅ…気が…気が狂いそうだ…)
我慢の限界が来たのだろうか、熾月の腰がほんの少し前に出た。しかしセムはそれにあわせて腰を引く。
「どうしたんです?やめて欲しいんじゃなかったんですか?」
「…」
「僕としてもこうしていればそのうちイクことは出来るでしょうし、充分気持ちいいんですよ。
入れてしまえばあまり長くはもちそうにないですしねぇ…このまま続けるのがお互いにとって
いいとは思いませんか?」
「………て」
「はい?」
「…してぇ…」
「して、ですか。何をでしょうか?はっきり言ってもらわないと分かりませんよ」
「あ…ぁ…そんな…お、お願い…ぃ…」
「ふふ、仕方ないですねぇ。それじゃその代わり僕のお願いも聞いてもらいましょうか」
「…聞くから…何でもするからぁ…」
「僕と結婚してください」
「そ、そんな…」
「嫌ならいいんですよ。別に」
「あ……す、する…する…」
「本当ですか?」
「する…結婚する…からぁ…」
「ふふ、分かりました。では貴女のお望みのモノをさし上げますよ」
-
- 言うが早いかセムの肉棒が熾月の中へと埋まっていく。
「あっ!ぁ、あぁ!!んぁ!ぁっ!」
「す、素晴らしい。この肉体が僕の物になるのか。ふふ、ふはははは!!」
「あんっ!ぅぁ、あ!あ!んっ、あぁ!」
「いい表情ですよ。殲滅隊の連中にも見せてやりたいですね」
「あっ!そんな…ぁっ!ぃやぁ…あっ!!」
「ふふ、冗談ですよ。こんな素敵な貴女を他の誰にも見せてやるものですか」
「はぁっ!ぁ、んっ!も、もう…んぁっ!」
「イキそうですか、ぼ、僕もそろそろですね。さあ一緒にイキましょう」
「ぁっ…ああ!も、ダメ…あっ…んっ、あ!ぁあぁああ〜〜!」
汗と愛液にまみれた体をお湯で流している横で、熾月はまだ放心状態で横になっていた。
「ふふ、いつまでもそんなところに居ると本当に殲滅隊の連中が様子を見に来ますよ?」
「…」
「では今日はこれで。約束、忘れないでください」
セムが出ていった後、また静けさが戻った。これでよかったと思っている自分が居る。
今の出来事はまさにここ数年自分が求めてきたものだった。
(心が…体が…不思議な感覚だ…これが満たされているという事なのか…?)
空には相変わらず満天の星が輝いている。隊員が不信に思うまでにはもう少し時間が
あるだろう。そんな事をぼんやりと考えながら、熾月の手は再び… (終)
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